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検整備として、「消火設備、救命設備、照明設備、安全標識、安全保証具」など、船内生活の注意事項として、「船内衛生、ゴミの分別収集、飲用水、喫煙、準備運動、服装」など、総括的なテーマとして「作業前ミーティング、復唱再復唱、円滑なコミュニケーション、危険予知」といったものになります。
どの場合も内容を具体的にする必要があります。
また、安全衛生の主役は個々の乗組員ですから、月間目標はすべて日本語と英語で作成して、乗組員全員が同じ目標を共有する必要もあります。
さらに、同じテーマを何度も繰り返して取り上げることになりますが、いつも同じ文章では読む側も興味をなくすので、同じテーマであっても視点を変えて最新の情報を盛り込みながら作らなければなりません。
なかなか大変な作業です。
話題や指標がいつも会社から一方的に与えられるということでは、主役が主役でなくなってしまいます。
そこでこの月間目標とは別に、船種、航路、船舶、積荷といった各船固有の事情に応じた年間目標を設定することとしています。
従って、船内では月間目標と年間目標があり、安全衛生の話題に事欠くことはありません。
安全衛生活動の一環として、委員による訪船活動があげられます。
委員は現業部門の役職者であり、本来の業務の他に、現場からの生の情報を収集したり、社内委員会の情報を直接伝えたりすることで、相互の理解を深めることができます。
また、船内での安全衛生教育として、ビデオテープによる視聴覚教育を実施しています。
ビデオテープのナレーションはすべて英語で、外国人乗組員を対象に船長や機関長などが指導しますが、その他の日本人職員も参加しています。
船内教育の実施が安全衛生だけではなく、労務管理上の効果も発揮してくれるものと期待しています。
最近委員会で一番話題になっているのはゴミの問題です。
特にプラスチック類ゴミは、環境保全の立場から世界的に厳しい規制があり、各船ともその対応に苦労しております。
有料でプラスチック類ゴミの陸揚げに応じる港は徐々に増えてはいますが、日本国内、特に企業が所有するプ

 

 

 

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